2008年4月4日金曜日

Labmaster Ltd

 Labmaster社で開発が行われている新技術は,臨床診断や環境分析,食品分析や化学薬品分析などの様々な分野に応用可能な技術プラットフォームである.1985年に設立され,90年代半ばに営業部門と開発部門の2つの会社に分かれた.Labmasterは現在,開発を担当している.2001年以降,SITRAがシェアパートナーとなっているが,Labmasterは民間企業である.

 Labmaster社のこの技術はトゥルク大学からライセンスが移転されたもので,特許による保護を受けている.そもそもこの技術の開発経緯であるが,トゥルク大学の4人の科学者が始めた研究がもとになっている.80年代後半に始まったこの研究が90年代半ばに一応の成果を出し,特許がLabmasterに移転され,同時に3人の科学者がLabmasterのシェアホルダーになった.我々は現在もトゥルク大学との協力を続けている.

 この技術の開発に携わった科学者の1人がヘルシンキ工科大学のLaboratory of Inorganic and Analytical
Chemistryにおり,彼がシェアホルダーになっているからだ.実はこの技術はもともとは彼が中心となって開発した技術だ.その後,ヘルシンキ工科大学に移っていった.

 そのような経緯からヘルシンキ工科大学のマイクロエレクトロニクスセンターはLabmasterにとって重要な協力相手となっている.ヘルシンキ工科大学のマイクロエレクトロニクスセンターはシリコンチップの設計において優秀な協力相手であるとのことだった.実際の製品製造の段階に入ったら,シリコンチップの製造を担当してくれる企業を探すことになるとのことだ.

 大学との協力は緊密なようだが,サイエンスパークの実験室,バイオシティーを使ったりすることはあるのかとの質問に対しては,「我々はTEKESからファンドを受けたいくつかの研究プロジェクトを持っている.開発プロジェクトではなく,研究プロジェクトだ.実際にはファンドの行き先はトゥルク大学になっているが,Labmasterはそこでの研究成果を利用する権利を与えられている.」との回答を得た.

 また,国営のベンチャーキャピタルであるSITRAとの協力関係やSITRAのプレゼンスに利点を感じているかといった質問に対しては,以下のような回答を得ている.

 「SITRAはLabmasterに対して資金を融資しており,ボードメンバーとして名を連ねている.無論,利点も感じている.SITRAには診察技術の分野で非常に経験豊富な専門家がおり,ビジネス活動の面でも積極的に支援してくれる.ボードの議長としてSITRAから来ている人物はフィンランドで最大の診察技術関連企業での経験を持っており,その経験が我々のビジネスに生きている.その他にもSITRAから送り込まれた専門家がいる.Labmasterにとって,SITRAは投資家以上の意味がある.」