2008年4月4日金曜日

Arctic Diagnostics

 同社はTPXテクノロジー(two-photon fluorescence
excitation microparticle fluorometry:2光子蛍光励振マイクロ粒子蛍光測定技術)を主力技術とする企業である.CEOのErkki
Soini氏はトゥルク大学で医療物理学の教鞭をとったほか,トゥルク地方のバイオ系機器製造企業であるWallacでのキャリアを持つ.

 同氏によればWallocにいた頃,大学の科学者とのコラボレーションを推進し,その試みはうまくいっていたという.Wallacは大学とのコラボレーションに多額の投資を行い,Wallacが機器だけでなく,生化学分野にも進出を始めた際にはトゥルク大学の生化学者たちとの協力も始まった.

 Wallacはトゥルクで最初に成功したハイテク診察技術系の企業で,スピンオフ企業も多く輩出している.もちろん診察技術だけに留まらない.医療や医薬品関連企業が多く生まれ,大部分が大学の近辺に位置している.

 つまり,トゥルクには学界と産業界のコラボレーションを促す「雰囲気・空気」のようなものがあるのだという.また,政府による研究資金の提供もコラボレーションには欠かせない要素であり,商業化のためのアイデアまで持っていれば,研究プロジェクトのための資金を探すのはそれほど難しいことではないのだそうだ.

 同氏は弱点についても指摘している.端的にいえばベンチャーキャピタルが非常に弱いということであった.ベンチャーキャピタルの多くはハイテクに対する投資には非常に慎重であり,リスクを過大評価し,長期的な視野を持っていないというのが氏の意見だ.特に医療用製品は開発に長期間を要するが,この点で折り合いがつかないと感じているようであった.